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――先ほど、「結婚するなら、俺がマンションを買わなきゃと思うと」との表現が出てきましたが、これは?
山崎:農家だと代々の家に親と一緒に住むのが普通なんですが、都会のカップルは「結婚するときは家(マンション)を買う」のが一般的です。
しかも男性が買うか、男性が多めに負担するケースがほとんど。中国のマンションは内装を施す前の状態で購入することが多いので、物件購入費は夫が出して、内装費を妻が出す、とか。
――「男のプライド」があるとはいえ、それは男性も大変!
山崎:ええ、デート代もだいたい男性持ちですしね。中国人男性は、彼女がいるとお金がかかるんです。
でももちろん、誰もが満足行くように稼げるわけじゃありません。
いま中国は就職難や経済格差、物価の上昇などがどんどん深刻化していますし。
――そうですよね、結婚にも「経済」の影響があるのでは?
山崎:その通り。高収入、高学歴の女性が相手でなくても、「結婚したいのに、お金がないからできない」というカップルも多いようですよ。
そこで、結婚費用を親に出してもらうカップルも増えてきているとか。「サラリーマン家庭の親は、子供が結婚することで一生の貯金を使い果たす」なんてケースもあるぐらいです。
――えーっ?!一生の貯金を使い果たすというのは、またすごいですね。
山崎:日本以上に「親子のつながりが深い」ってことも、関係してるかもしれません。
また都会だと、結婚のときに買った若夫婦のマンションに親も一緒に住んだりしますから、親にとっても自分の生活がかかっている分、「負担してもいい」と思うのかもしれません。
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――スケールや根底の価値観に多少の差こそあれ、中国でも日本と似たようなことが起きているんですね。もしや、中国にも「独身王子」がいるのでは?
山崎:ええ、いますよー。独身生活を謳歌しているかどうかは分かりませんが、男性の未婚者はホワイトカラーとか中産階級に多いようです。やっぱりそれは、結婚しなきゃならない差し迫った理由がないから。
農業地域の男女だと、結婚して家族を増やさないと労働力が足りないといった事情があって、「したくない」とか言ってられませんけどね。
――日本だと、親や上司から「まだ結婚しないのか」と言われることがありますが。
山崎:中国人は不思議なもんで、身内にはうるさいのに、他人にはあまり干渉しない人たちで、職場で結婚について言われることは少ないみたいです。
その代わり、親はうるさい!30歳過ぎて独身だと、それはもう、うるさく言われるらしいですよ。
――やっぱり。「お見合い」なんて制度もありますか?
山崎:あります、あります。中国はお見合い文化が盛んで、北京には「お見合い探しの掲示板」なんてものも、まだあるんです。
結婚相手を探している人はそこに出向いて、自分のプロフィールとか相手の希望条件とかを書いて貼ったり、貼ってある情報を見て応募したりするそうで……
――中国男性はそういうの、積極的にやりそうですよね。
山崎:でもそればかりじゃない。最近はそこに、結婚できない息子を心配した「母親たち」が通っているそうですよ。
――えーっ?!これもまた、日本と似た現象ですね。
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――それにしても、親にそこまで世話を焼かれるなんて。アグレッシブなイメージの中国人男性からは、想像できない・・・・・・
山崎:中国人男性も、いったんプライドを傷つけられてしまうと弱いのかもしれないですね。自分の稼ぎがあまりいいほうではなかったり、適齢期を過ぎても恋人がいなかったりすると、ガクっと自信をなくすことがあるらしいんです。そうすると、負の連鎖で余計、結婚に積極的になれない。
――世代間の違いはあるんですか?
山崎:ええ、中国には3つの大きな格差があると言われています。「経済格差」と「地域格差」、もう一つが「世代格差」です。
中国は国の状況がこの数十年で大きく変化していますから、70年代に生まれたか、80年代に生まれたか、90年代に生まれたかによって、ものすごく育った環境に差があるんです。
――たった10年の年齢差であっても、価値観の差がものすごく大きいとか?
山崎:その通り。70年代生まれの現28〜38歳くらいは前世代の名残を持っている世代で、親を大事にする世代。経済面で苦労してきたから、比較的しっかり者で貧乏症が多い。
でも、80年代生まれは一人っ子政策の世代ですし、親が豊かになってきていたから、親に甘やかされて育った人が少なくないんです。
――なるほど。中国男性を狙う日本女性は、「世代格差」も考慮してアプローチしたほうがいいかも、ですね。
山崎:そうですね。80年代以降に生まれた人は、自分の我を通すことにも慣れている世代。結婚についても今後ますます、より自由なスタイルを追い求めていくかもしれないですね。







